雨水による漏水に関して

今夏は例年よりも台風の発生が多く、列島でも関東地方、それも首都圏を直撃することもあり、その台風の規模も観測史上最大という書き出しが新聞各社の一面に上がるような異常気象で、賃貸経営をされているオーナーとしては建物の漏水・浸水で被害を被った方も少なくないのではないでしょうか。

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そこで、今回は降雨により所有している賃貸建物に漏水事故が起こった時の①主な原因、②定期的なメンテナンス、③発生時の対応の3つに分けて簡単にお話します。

 

①主な原因

竣工以来十数年なにもメンテナンスしていないと、外壁も経年劣化が進み、塗り壁なら亀裂が散見されるようになり、サイディングでもシーリング(ゴムのような繋ぎ目)部分に亀裂が入ることもあります。そこが台風などで大量の雨水にさらされると、建物内に漏水が起こります。

②定期的なメンテナンス

建物の外壁補修を定期的に行っていなければ、建物の外装・外壁の仕上げを竣工図書で調べてみます。簡単に2種類に分けると、上記のように「塗り壁」か「外装材」使用か。築年数が数十年の建物は塗り壁の場合も多いようですが、最近では「外装材」所謂「サイディング」と呼ばれる材料を外壁に貼っている建物が多いようです。

また、定期的に外壁メンテナンスをしている場合は、外壁改修業者の保証期間であれば責任もって調査・改修対応をしてもらいます。外壁塗装も様々で、溶液のメーカーが商品自体に保証を付けているので、その保証期間なら対応するという業者もあるようです。ただし、外壁改修業者の中にはいい加減な業者もいるようなので、保証期間中の漏水を報告しても、ろくな調査もせず部分的な止水処理をして、「あとは様子を見てみないとなんとも言えない」という責任回避の弁を展開するようです。

こんな業者に対応するために、現場調査時に必ず自らも立ち会い、例えば、多層階のビルの外壁から漏水している状況を調査する中で、漏水している箇所を下層階部分の外壁箇所に特定して、サイディングの劣化やシーリングの亀裂を指摘、そこを修繕しましょう!という提案を受けたら、以下のように切り返してみてください。

「サイディング外壁の漏水は特定するのが難しいですよね。確かに、この辺りの目地には亀裂が入っているようですが、かといって、2階や3階の外壁や目地からは漏水していないとは言い切れないと思いますので、塗膜防水処理やシーリングを打ち換えるなら、最上階からお願いします。まだ、保証期間ですよね」

業者としては保証期間だからと言っても補修費用が高額になる対応は避ける傾向にあるようです。

③発生時の対応

賃借人から漏水事項発生の一報が入ったら、できることなら早急に現場を確認するべきです。その際は、漏水の状況を写真や動画に撮っておくことをお勧めします。

そして、防水業者への依頼ですが、竣工時の建築会社に相談できれば一番良いのですが、現在は存在していなかったり、過去に修繕してもらった外壁修繕業者は連絡を取れるが、既に修繕の保証期間を過ぎて改修に相当な費用が見込まれるようなら、一度、止水専門業者に相談するのも良いでしょう。修繕方法も一般的な外壁修繕業者と異なるので、同じ外壁からの修繕工事でも、特殊な検査方法を用いて原因を特定し、防水工事をするので止水効果も期待できます。

 

 

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By | 2016年9月20日

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