賃貸契約期間満了にあたり、契約の終了時期を延長し、同一の契約を引き続き存続させることを「更新」といいます。
この更新の手続きを忘れるとこれまでの契約はどうなるのでしょうか?そんな更新の手続きを忘れてしまった場合のケースをオーナーさん目線で紐解いていきましょう。
更新の手続きを忘れてしまったったら更新されないのか?
答えはNOです。
賃貸借契約において更新の手続きをしなかった場合、借地借家法第26条第1項により契約は自動的に更新されると定めています。このことを「法定更新」といいます。法定更新は強行規定であるため、それについて借家人に不利となるような特約を定めても無効となります。
そしてこの「法定更新」には注意すべきポイントが幾つかあります。
- 契約条件
これは法定更新となった場合は、これまでの契約条件と変わりなく同じ条件で契約を更新したものとするということです。賃料や共益費はなどはもちろん、解約予告期間や禁止事項などの契約条文についても適用されます。 - 更新後の期間
更新を忘れて法定更新になってしまったら、契約の期間がなくなります。(例えば契約期間が3年の場合は、法定更新後は3年の契約期間になるのではなく、契約期間の定めがない契約になります) - 更新料の請求
先述の通り、期間の定めのない契約となった場合「更新」が発生しなくなるため、いくら経っても更新料を請求することは出来なくなります。但し、契約書内に「法定更新の際にも更新料を請求できる」等、特約の明示があれば法定更新時にも更新料を請求できます。
その場合であっても、法定更新になると契約期間がなくなるので、更新料を請求できる機会はその1回だけとなります。 - 契約を解除したい場合
法定更新されて期間の定めのない契約になると、オーナーさん側より契約解除をする際の方法が従来と変わってきます。この場合、契約終了の6ヶ月前に解約の申入れをしなければならず、また、この解約の申入れの際には、「正当事由」が必要となり、正当事由の補完のために立ち退き料が必要になるケースもあります。ただ、正当事由や立退き料については、期間の定めのある契約においても必要なので、賃貸借契約を容易に終了させられないとういう点では変わりはありません。変わるのは、解約予告期間になります。
■参照:立ち退きについて
まとめ
- 更新の手続きを忘れると法定更新の扱いになる。
- 法定更新となった場合契約期間の定めがない契約になる。
- 更新料を請求できなくなる。
- オーナーさん側の解約予告期間が6ヶ月前になる。
また、上記のまとめに加えて法定更新になってしまうと、更新時に火災保険料や家賃保証契約も携わりがあれば切れてしまうことがあったり、新たに更新の書類を取り交わすことが困難となってしまうため、更新業務は忘れずに行う必要があるのです。
当社では、これまで管理上のトラブルを基に、契約の様々な内容を改善し続けております。また、更新作業のみの委託も受け付けておりますのでご質問や、契約の内容に不安などありましたら、当社までお気軽にご相談下さい。
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