収益の観点から見るサブリース
「サブリース」と聞いて、「空室時の賃料も保証してもらえ、安定した収益を得られる」イメージがあると思われます。
一見、お得な様に感じられるかもしれませんが、果たしてそうでしょうか?
サブリースをする会社は、ビルオーナーとのサブリース契約をする際、そのビルの「テナントとの成約想定賃料」と「空室期間のリスク」がどの程度か想定した上で、サブリース賃料を提示します。
一般的に「テナントとの成約想定賃料」の90%程度が保証賃料としてビルオーナーに提示されます。
では、「テナントとの成約想定賃料」はどういった基準で算出されるのでしょうか?
分かりやすく事例を挙げてみます。(参考図1参照)
- ビルオーナーがサブリース契約をせずに、賃貸借契約を締結する賃料を100万円としましょう。 (以下、この賃料を「基準賃料」としましょう)
↓
- サブリース会社は空室リスクを考慮し、ビルオーナーに対し「テナントとの成約想定賃料」を90万円で提示したとします。
※「テナントとの成約想定賃料」を一般的な相場より1割、割安な賃料設定をした事になります。
↓
- 保証賃料は「テナントとの成約想定賃料」の90%保証という事になりますから、81万円が保証賃料となる計算です。基準賃料と比較すると、約20%本来受け取る賃料よりも割安となる計算になります。
参考図1
また、サブリース会社がテナントの賃貸借契約を110万円で契約出来た場合、本来ビルオーナーが受け取る賃料より30%近い差額が、全てサブリース会社の利益となるケースも考えられます。
上記は極端な例で、良心的なサブリース会社もありますが、「賃料の●%保証」といっても、単なる数字のマジックである事はご理解いただけたかと思います。
実際、家賃相場の●%といっても店舗の場合家賃相場を定めることがそもそも困難であるケースが多く、本来貸せたであろう賃料より大幅に低い水準での提示をしてくるサブリース会社も珍しくありません。
サブリース契約をビルオーナーが選択するのは、一般的に新築時に締結するケースがほとんどですが、賃料等を一番有利な条件で契約できるのも新築時です。上記をご理解された上で、それでも「空室リスクの回避」、「安定収入」を求め、サブリース契約を選択肢の一つとして検討すべきであると思いますが、後から「だまされた」とならない様、サブリース会社の言われた事を鵜呑みにするのではなく、自身で近隣の賃料や空室状況等、調査をされた上で、契約する事が望ましいと思われます。
建物運営の観点から見たサブリース
上記を見るとビルオーナーにとってデメリットばかりに見えますが、オーナー業は賃料を受け取る代わりに、ビルの清掃や各種法定点検、テナントのクレーム対応等、煩雑な実務が発生します。
サブリース契約を締結すると、サブリース会社がテナントから見た貸主となりますので、サブリース会社がビルオーナーに代わり、実務を代行する事になります。
特にビルオーナー業を副業としている方にとって、建物運営は非常に煩わしく、時間な制約もある中での運営は、かなりの負担となるはずです。
この建物運営については、サブリース会社により、金銭的な負担がどちらにあるか等、契約内容も様々です。弊社ではこの「建物運営上」の煩雑な実務を弊社が貸主として代行する「パススルー型サブリース」を行っております。
ビル運営を全て専門業者に委託しようとする場合、サブリース契約だけではなく、業者により様々な委託方法があります。
サブリース契約締結時は勿論、業務内容等の説明を十分に受け、内容を理解する事が重要となります。
ビル管理に関する無料ご相談
ビルオーナー様のお悩みをお聞かせください
お電話・リモートでも対応可能です。まずはお問い合わせください
ビルマネジメント概算お見積もり
選択するだけですぐお見積もりできます
各項目を選択するだけで、おおよその見積金額を自動算出いたします。