契約中の賃料交渉はどこまで応じるべきか

不動産の賃貸借契約において、借主様からの賃料交渉は、オーナー様の頭を悩ます大きなやっかいごとのひとつと言えます。一度賃料の減額をしてしまうと、元の賃料に戻すことは非常に困難となることは想像に難くないでしょう。しかし、交渉に応じなかった場合、借主様が退去をされてしまうのではないかと不安に感じられることが、賃料交渉をより悩ましいこととしているように思えます。

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まず、オーナー様にご認識頂きたい点がございます。それは、用途に応じて賃料設定の根拠に大きな違いがあることです。オーナー様なら必ずお聞きになったことのある、賃料相場を基に賃料設定がされるのは、住宅や事務所に多く見られます。それに対し、店舗には賃料相場が当てはまらないケースが非常に多いのです。理由としては、立地や階数、周辺の環境に大きく左右され、隣り合った物件や同じ大きさの物件でも、特性などが異なり、住宅や事務所と比較し個別性が非常に高いためです。つまり、競合する物件が少ないので、他物件との比較が前提となる賃料相場が見えてこないのです。

 

次に、賃料交渉の相手となる借主様がどういった考えでいるのかを知る必要があります。そもそも、なぜ借主様は賃料交渉をしたがるのでしょうか。

ひとつには、現在の生活や売上が苦しくなり、これまでの賃料を支払っていけなくなってしまった場合が考えられます。この場合は、賃料の未払いによる滞納等が発生するリスクが高いこともあるため、賃料の減額よりも、早急に退去頂くことの方が、双方にとってメリットがあることも考えられます。借主様の状況をよくお聞き頂き、状況の把握をすることが何よりも重要であると思います。

他には、生活や売上は苦しくないけど、ダメもとで交渉をしてみようという考えの借主様もいることでしょう。こういった借主様は、実情を明かさないケースが多く、オーナー様も判断するのに大きなストレスがかかることが多いようです。容易に賃料交渉に応じてしまうと、本来得られるはずの利益を逃してしまうことでしょう。

このように、賃料交渉をするにも、様々な考えの借主様がいらっしゃいます。その都度状況を把握し、適正な価格を考え提示し交渉していくことは、オーナー様の大変な労力を必要とします。

そこで、ぜひオーナー様におすすめしたいのが、不動産会社を利用することです。交渉ごとには、当事者同士で行うよりも、間に第三者を置いたほうが、穏便に済ませることもできますし、意外な解決方法を見出すこともできることもあるかもしれません。また、住宅や事務所物件であれば賃料相場を調査することで、適正な賃料を把握することができると思いますが、店舗の場合は、先述の通り賃料相場が適用しづらいため、経験や成約事例のある、不動産会社の助言が有効となってくるでしょう。

そういった中で、適正な金額にて貸出すことができますと、借主様によっては長期にわたりお借り頂け、空室を出さずにすみ、ひいてはオーナー様の利益の確保に繋がることでしょう。また、不動産会社が介入していれば、賃料交渉が決裂し借主様が退去された際に、すぐに次の借主様の募集を開始することができることもオーナー様にとってのメリットとなるのではないでしょうか。

 

最後に、オーナー様は賃料交渉以外にも、様々な悩みを抱えていることが多々あると思います。そんなときにはぜひ、不動産会社に相談してみて下さい。意外な解決方法が見つかるかもしれません。

 

 

 

 

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By | 2016年9月20日

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