商業施設における施設タイプの違い

日本には多種多様な商業施設がありますが、施設の規模や運営内容によって細かく分類することができます。

商業施設の分類

一般的には複数のテナントが出店している施設を指しますが、その中でもアンカーテナントの立ち位置等でいくつかに分類されます。

・Dept(Department Store)

 百貨店と呼ばれ、施設側が複数の専門店を統一的に運営、集約し多種類の商品を展示陳列して販売する施設です。

・GMS(General Merchandise Store)

 食品スーパーや衣料品売り場などが混在した総合スーパーです。

・SM(Super Market)

 食料品中心の大型スーパーです。

・HC(Home Center)

 家具、インテリア商品等を中心としたホームセンターと呼ばれる施設です。

・DS(Discount Store)

 食品だけでなく日用雑貨等も取りそろえたうえで低価格訴求を重視した大型店です。

・Dgs(Drag Store)

医薬品を中心に日用雑貨を扱うドラッグストアと呼ばれる大型店です。

 

また、公共施設や映画館、劇場、遊技場、オフィスなどが一体になった商業施設は「複合商業施設」と呼ばれることもあります。

 

 

ショッピングセンター(SC)とは?

一般社団法人 日本ショッピングセンター協会によれば、SCを下記と定義されています。

ショッピングセンターとは、一つの単位として計画、開発、所有、管理運営される商業・サービス施設の集合体で、駐車場を備えるものをいう。その立地、規模、構成に応じて、選択の多様性、利便性、快適性、娯楽性等を提供するなど、生活者ニーズに応えるコミュニティ施設として都市機能の一翼を担うものである。

SCは、ディベロッパーにより計画、開発されるものであり、次の条件を備えることを必要とする。

  1. 小売業の店舗面積は、1,500m²以上であること。
  2. キーテナントを除くテナントが10店舗以上含まれていること。
  3. キーテナントがある場合、その面積がショッピングセンター面積の80%程度を超えないこと。
    但し、その他テナントのうち小売業の店舗面積が1,500m²以上である場合には、この限りではない。
  4. テナント会(商店会)等があり、広告宣伝、共同催事等の共同活動を行っていること。

 

 (一般社団法人日本ショッピングセンター協会ホームページより)

 

すなわち、店舗のバラエティに富み、かつ運営にあたって戦略的な活動をしている施設をSCと定義されています。

その中でもショッピングモールと呼ばれるものは明確な定義はありませんが「mall(モール)」が商店街や遊歩道を指しますので、建物が横に広く長い通路を挟んで店舗が並んでいる形態の施設を指す場合が多いです。

 

百貨店とは

消費者目線で見れば百貨店とそれ以外とを比較してもどちらも商業施設であることに変わりはないように見えますが、出店における契約形態の違いを見るとSCと百貨店では異なることが多いです。

出店においてはディベロッパーと各テナントとで賃貸借契約を締結することが一般的ですが、百貨店の場合「消化仕入れ」形態の商品売買契約を締結する形になります。

消化仕入れとは、店頭に商品を陳列し顧客に売れた時点で、はじめて百貨店側がその商品を仕入れたことと見なし、その売上高の一定割合を仕入れ代金として取引先側(商品提供側)に支払う方式です。

通常の出店との大きな違いは出店コスト部分にあります。あくまで百貨店方式の場合は商品を仕入れ販売する契約であるため、通常の賃貸借契約で必要な保証金などが不要であり、また店舗の内装や販売員は通常はすべてテナントが負担することになりますが、百貨店の場合はこれの負担割合等も協議して決めることができます。

すなわち、一般的に百貨店に魅力的かつ支持される商品が多く陳列されているのは百貨店側が商品をセレクトしている結果であり、商品提供する側から見れば一般的なテナント出店よりもリスクの少ない契約を結べることがメリットとなります。ただし、仕入れ消化の際に百貨店側に支払う金銭の割合によっても事情が異なるうえ、百貨店側に認められる商品力の開発が必要となるため、希望して出店することは容易ではありません。

 

最後に

商業施設においては、ターゲットにあわせた開発や分類、それに応じた戦略が必要であり、出店するテナントも自身の業種業態にマッチした施設を選択する必要があります。

当社では各種商業施設のMD戦略(マーチャンダイジング)や、企画等もご提案できますので、お気軽にご相談ください。

 

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By | 2023年5月2日

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