商業ビルには大きく「商業施設(ショッピングセンター等)」と「店舗ビル」がございますが、出店する側にとってはそれぞれにメリット・デメリットがございます。
今回は、この2つを比較してみたいと思います。
出店者からみた商業施設と店舗ビルの比較
商業施設 | 店舗ビル | |
---|---|---|
運営 | 施設のルールに縛られる | 比較的自由に設定できる |
管理 | 基本的に常駐している場合が多いため | 非常駐が多いため |
レスポンス早く相談や対応を受けられる | 対応に時間がかかる場合が多い | |
共用部 | 常に清潔で整った環境で営業できる | ビルの管理状況に左右される |
営業時間 | 縛りがある | 基本的に縛りがない |
定休日 | 基本的に設定できない | 自由に設定できる |
集客 | 販促活動の実施等を通じて | 自身で行わなければならないため |
店舗の認知や集客力が担保できる | 店舗の認知に時間がかかる場合が多い | |
販促 | 費用はかかるが施設側が企画する | 自身で行わなければならない |
信用性 | 商業施設が認めた店舗であることから 店舗の信用性が高くなる | 信用性が担保されない |
費用 | 賃料以外にも負担する費用がある | 商業施設と比較すると少ない |
契約形態 | 定期建物賃貸借契約が主流であり | 普通建物賃貸借契約も多く |
契約の継続を担保できない | 契約の継続を担保できる | |
出店基準 | 出店を希望していても | ビルオーナーが了承すれば |
出店基準を満たせないと選定されない | 出店できる | |
店舗デザイン | 施設で設定される制限がある | 商業施設と比較すると自由に設定できる |
自身が営業したい店舗はどのようなものか、誰をターゲットにするのか等さまざまな要素により向き不向きが分かれるところですが、
店舗を運営する上で重要となる集客力は、商業施設であれば施設に出店をしているだけで多くの方へ認知して貰える可能性があります。
例えばフードコートに出店できれば、複数ある店舗(食べ物ジャンル)からの選択になるため、店舗自体の知名度が高くなくても、通常の店舗ビルで販促を何もせず営業するのと比較すればオープン当初から一定の売上が担保できるといえます。
また今後多店舗展開を考えている店舗であれば、商業施設に出店することでデベロッパーの目につき、施設側から出店相談を持ち掛けられることも少なくありません。
ただ商業施設を運営する側の目線で見れば、常にお客様からニーズのある店舗を提供し続けなければなりません。人気に陰りがある店舗や、同業態のより魅力的な店舗を誘致したい、フロアの一括リニューアル等の理由で、定期建物賃貸借契約の満了で契約終了となってしまうことが多いのも事実です。このような点では、普通建物賃貸借契約の採用が多い店舗ビルのほうが長期での店舗営業を視野にいれ開業ができるので、腰を据えて営業ができるかと思います。
ここではあくまで一例を記載しましたが、個々の商業施設、店舗ビルごとに特性が違うことも事実です。ビルオーナーとしては記載したような出店者が感じる特性を理解することで、良質で双方の考えが合致するテナント誘致を実現できるかもしれません。
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