テナントが看板の設置数を変更したいという相談に対して、適切な対応と確認すべき内容について下記のようなものがございます。
屋外広告物法や景観法などの関係法令の確認
建物が所在する各自治体ごとの屋外広告物法や景観法などの関係法令を確認し、看板の設置について制限や禁止があるかどうかを調べます。当然、これらの法令に違反する場合は、看板の設置数を増やすことはできません。
賃貸借契約書を確認
契約中のテナントであれば、各テナントとの賃貸借契約書を確認し、看板の設置について明示的な規定があるかを確認します。契約書に看板の設置数や場所、形状などが定められている場合は、その内容に従う必要があります。契約書に看板の設置に関する規定がない場合は、設置条件等をテナントと協議する必要があります。
同居するテナントや、近隣住民等との調整
法令上や、賃貸借契約書の条文は問題ないとしても、近隣のテナントや住民などの利害関係者とのトラブルも想定されます。これを避けるために、看板の設置数や場所、形状などが周囲の景観や風致に影響を与えないかどうかを慎重に検討します。看板の設置が他者の権利や利益を侵害する場合は、訴訟や損害賠償請求などのリスクが発生する可能性があります。最高裁判例によれば、貸主が借主に対して看板の撤去を求めることは権利の濫用に当たる場合もありますが、その判断は事案ごとに異なります。
看板を減らしたい場合
もし、テナントから看板の数を減らしたいという要望があった場合は、契約書に看板の数についての取り決めがある場合は、その内容を確認しテナントに説明します。また。減らす際の工事や手続き方法を明確にする必要があります。テナントの要望に応じられない場合は、その理由を説明し、妥協点を探します。例えば、看板の数を減らさずにデザインやサイズを変更することでビルのイメージや景観を保つことができないか検討します。いずれの場合も、テナントとオーナーの双方が満足できるような解決策を目指すことが重要です。また、看板設置に関する契約内容や変更内容は書面で残しておくことが望ましいです。これは、将来的にトラブルや紛争が発生した場合に備えるためです。
以上のように、テナントが看板の設置数を増やしたい、減らしたいという相談に対しては、関係法令や契約書、近隣の方との関係などを総合的に考慮してから進める事をお勧めいたします。
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