建物断水について

断水することで住居では生活に、事業用では営業活動に多大な影響を及ぼします。
また、適切な点検等がなされておらず、断水によりテナントの営業活動に支障を与えた場合営業補償等を求められる等の所有者側のリスクもございます。

断水が発生した際には、その理由が想定できるかできないかで対応のスピードも大きく違ってきますのでご参考ください。

 

(1)各給水方式で断水が発生する理由

  1. 直圧直結方式
    →水道本管から直接給水となる為、本管側の断水が発生しない限り水が止まることはありません。本管側の断水に関しては、行政による本管交換工事等が考えられます。
  2. 増圧直結方式
    →増圧ポンプの動作不良により上層階で断水が発生します。水道本管の水にポンプで圧力を加えて給水されますが、ポンプが停止した場合も低層階へは水が供給されます。(直結直圧方式同様に水道本管の圧力で届く範囲)
    直結直圧方式で届く階層としてはエリアの本管圧力により変動しますが、概ね4~5階程度の為、それ以上の階層では水圧不足や断水が発生する恐れがあります。
    本方式での断水理由としてはポンプの異常や、ポンプを使用する為には電気を使う為電気設備の不具合が考えられます。
  3. 高架水槽方式
    →屋上に設置されている高架水槽の水がなくなった場合断水が発生します。本方式では地下などに受水槽を設置し、そこから高架水槽へとポンプアップする方式が一般的となります。高架水槽の水位が低下すると自動で地下の受水槽から給水されますが、この時に
    (1)高架水槽の水位低下を感知する設備(ボールタップ、電極棒等)の不具合により受水槽から高架水槽へ給水されない。
    (2)水位低下を感知しているにも関わらず揚水ポンプの異常により受水槽から高架水槽へ給水されない。
    (3)ポンプを動かすための電気設備の不具合、等が断水の理由として考えられます。
  4. ポンプ圧送方式
    →本方式でもポンプ異常やポンプを動かす為の電気設備異常により断水が発生します。受水槽を使用していますが、本管より給水されていることから、常に貯留されている状態であることから、受水槽が空になるのは「1.」で記載をした、本管側の断水があった場合と考えられます。
  5. 全方式共通の断水理由:水道管の破損
    →それぞれ方式によりポンプの使用等設備が異なりますが水は必ず水道管を経由して給水されます。この水道管が自然災害等により破損すると断水が発生します。
    本管の破損であればその給水エリア一帯が、建物一棟だけであれば、その建物専有の給水管の破損が考えられます。

 

(2)断水発生時の対応

断水が起こった際にはまず各給水設備の蛇口等を閉めておくようにしましょう。蛇口を閉めておくことで給水管内への空気の流入を防ぐことができます。
また、給水復旧時に蛇口が開けっ放しだと水が放水された状態となってしまいます。

設備監視が導入されている場合断水発生時に制御盤で異常が起きている該当設備を確認することができます。その際には警報音が鳴動し、警備会社等が現地を確認に向かいます。設備監視が導入されていない場合には、断水発生時に建物の管理者へ連絡をする必要がありますので、建物管理会社があれば管理会社へ連絡をしていただく必要があります。

 

(3)断水復旧時のエア抜き

断水が発生した時点で給水管内は水で満たされていない状態となります。そのため断水が解消されても給水管内に空気が入っています。その際に気を付けなければいけないのがエア抜きをすることです。エア抜きをしないと給水管内にたまった空気が急激に器具へ供給され、その衝撃で器具の破損につながる場合があります。
エア抜きの方法としては蛇口から少しずつ水を出し、5分間程度は出しっぱなしの状態とします。水と一緒に空気が抜けていく音が発生しますので確認ができます。

 

(4)最後に

断水は異常が起きている設備の種類や状態によっては復旧まで時間がかかります。大事なことは設備の経年劣化を設備点検等で把握し、計画的な修繕を実施することとなります。

当社では給水設備の法定点検実施や設備改修のアドバイスも可能です。
お困りごとがございましたらお気軽にご連絡ください。

 

  

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By | 2024年4月10日

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