フロンとはフッ素と炭素の化合物(フルオロカーボン)の総称です。エアコンや冷凍冷蔵機器等の冷媒として身の回りの機器に多く使用されており快適な生活を送ることができています。しかし、そんな便利なフロンですが、フロンにもその性質により数種類存在し大気に悪影響をもたらすものがあり今後の我々の生活にも大きく関わってきます。そのため、悪影響なフロンを排除する動きとしてフロン排出抑制法が制定されました。
フロン排出抑制法を簡単に説明すると
- フロンを使用している機器を廃棄するときは専用業者(冷媒回収技術者資格保持者)にフロンを回収させて下さい
- フロンを使用している機器は点検を行って下さい
上記の2つが主な内容となっております。
1.については、冒頭でもご説明したようにフロンを大気に放出すると悪影響をもたらします。地球温暖化にも影響があり、夏場の平均気温が徐々に上昇している原因の1つでもあります。また、フロンにはオゾン層を破壊する力があり、使用できるフロンに規制がかかっております。フロンを回収せず、機器を廃棄し大気に放出してしまう方が多数のため、フロンを専用業者による回収を義務付け、環境破壊に待ったをかけるというものです。
2.の機器の点検について、フロンを使用している全ての業務用のエアコン・冷凍冷蔵機器等は簡易点検(製品外観の目視確認等)が必要です。また、一定規模以上の業務用のエアコン・冷凍冷蔵機器を対象とした定期点検(専門業者による)が必要となっています。その基準は以下となっています。
定期点検は機器の圧縮機の定格出力により
7.5kW以上の冷凍冷蔵機器:1年に1回以上の定期点検
50kW以上のエアコン:1年に1回以上の定期点検
7.5kW以上50kW未満のエアコン:3年に1回以上の定期点検
フロン排出抑制法に違反した場合は以下による処罰があります。
- フロン類をみだりに放出した場合:1年以下の懲役又は50万以下の罰金
- 機器の使用・廃棄に関する義務について都道府県知事の命令に違反した場合:50万以下の罰金
- 算定漏えい量の未報告・虚偽報告:10万以下の過料
2019年3月19日に以下が閣議決定となりました。
- 点検記録簿を機器廃棄後も一定期間の保存義務
- 冷媒を回収せずに廃棄:50万以下の罰金
- 行程管理票の不十分記載、保存違反:30万以下の罰金
- 廃棄機器を引取業者に引き渡す場合は行程管理票の引取証明書の写しを交付の義務:未交付30万以下の罰金
国会で可決されれば、法律が成立となりますが、自ら暮らしている環境悪化を望む人間はいないでしょう。そのため、近々上記の罰則も適用されることとなります。我々の生活にエアコン等はかかせません。つまり、それに使用されているフロンはかかせません。フロンはいずれ使用禁止となり、新たにグリーン冷媒等のノンフロンを使用する機器が開発・製造が進められています。現在はフロンを使用している機器が大多数のため、会社に属している方、お店を運営している方など多くの方にフロンを廃棄する義務、機器を点検する義務が発生しています。まだまだこの法律を知らない方も多くいらっしゃると思いますので、お持ちの物件の入居テナント様・新しく入居するテナント様には法令遵守するようお伝えしましょう。我々、総合施設管理が管理することによって、オーナー様、テナント様に適正な点検を提案させて頂きますので、お問い合わせ下さい。
フロンの主な種類と廃止・生産中止年は以下となっております。
フロンの種類 | 冷媒表記 | 全廃年 | 生産中止年 |
CFC(特定フロン) クロロフルオロカーボン |
R11 | 2010年 | 1996年末 |
R12 | |||
R502 | |||
(特定フロン) ハイドロクロロフルオロカーボン |
R22 | 2040年 | 2019年末 ※1 |
R123 | |||
HFC(代替フロン) ハイドロフルオロカーボン |
R32 | – | ※2 |
R134a | |||
R407C | |||
R410A |
※1 HCFCは2020年時点で現存する冷凍空調機器への補充用途に限り2029年末まで生産を認める特例があります
※2 現在規制は決まっておりませんが、生産・消費量を2029年までに70%削減する目標を掲げています
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