火災発生時に他区画に広がらないように1つの区画に封じ込め、火災の延焼拡大を防止し、被害を最小限にとどめることを目的にしています。新築時は専門の設計士が施工しており、気にすることはありません。
しかし区画を分割・統合など、施工時の区画割が変わってしまうような時は要注意です。
テナント側に工事を任せきりにしてしまうと、施工時には守られていた防火区画が変更されてしまう恐れもあります。
防火区画の作り方
床・壁 ・・・ 耐火・準耐火構造
開口部 ・・・ 特定の防火設備(防火シャッターなど)
柱・梁 ・・・ 不燃材料
面積区画の種類
対象建築物 | 区画面積 | |
1500㎡区画 | ・主要構造部を耐火構造とした建築物 ・準耐火建築物 | 床面積≦1,500㎡超 |
500㎡区画 | 法27条・法61条により、準耐火構造を義務付けられた以下の建築物 準耐火建築物(イ-2) 準耐火建築物(ロ-1) | 床面積≦500㎡超 |
1000㎡区画 | 法27条・法61条により、準耐火構造を義務付けられた以下の建築物 準耐火建築物(イ-1) 準耐火建築物(ロ-2) | 床面積≦1,000㎡超 |
面積区画の緩和方法
スプリンクラー・水噴霧消火・泡消火設備等で自動式のものを設けた部分については、その床面積の1/2を面積区画の対象から除くことができます。
高層区画
高層区画とは11階建て以上の建築物に対して、一定の面積ごとに設ける防火区画のことです。
11階以上の階で火災が発生すると、はしご車による消防隊の救助ができないため、炎が燃えひろがると救出が難しくなります。
高層区画の制限を設けることによって火災を抑制、消火活動などをスムーズにすることが可能となります。
面積区画と同様、不燃材の有無に応じて、区画面積が変動いたします。不燃材料を使っていれば、それだけ燃えにくくなり、区画面積を大きくすることができます。
区画が必要な建築物 | 建築物の内装 | 区画面積 | 区画の床・壁の構造 | 区画の開口部の構造 |
建築物の11階以上の部分 | 一般の建築物 | 床面積100㎡以内ごとに区画 | 耐火構造 | 防火設備 |
内装仕上げ・下地: 準不燃材料 (床面から1.2m以上の範囲) |
床面積200㎡ごとに区画 | 特定防火設備 | ||
内装仕上げ・下地: 不燃材料 (床面から1.2m以上の範囲) |
床面積500㎡ごとに区画 | 特定防火設備 | ||
共同住宅の住戸部分 | 床面積200㎡ごとに区画 | 特定防火設備 |
竪穴区画
階段や吹き抜けなどの縦の穴は、燃え広がりやすい為、防火扉や防火シャッターなどの不燃材料で覆い火や煙を閉じ込めるために定められた法律です。
竪穴区画が必要な建築物は以下2つどちらにも合致する建築物です。
①地下又は3階以上の部分に居室がある建築物
②主要構造部が準耐火構造
異種用途区画
一つの建築物に、異なる用途の部分が複数混在するような建築物の場合、利用時間帯や利用者の人数、火災の発生する可能性などが異なります。
被害を最小限に抑えるために、異なる用途の区画間を不燃材料等を用い、燃え広がりを他区画に広がらないようにするために定められた法律です。
こちらのように、住宅と事務所が1つのビル内に混在している場合、事務所部分で発生した火災を住宅部分に広がらないように不燃材料等で囲う必要があります。
防煙区画の種類
排煙設備の設置基準のひとつに、「床面積500㎡以内ごとに防煙壁で防煙区画しなければならない」という規定があります。
煙が建物内に広がる事を防ぐために、定められた法律です。
天井に防壁を設置する方法や、基準の面積毎に不燃材料で間仕切りしてしまう方法があります。防火区画とは異なる法律ですが、同じように守る必要があります。
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